登録商標『TABETE』
２０２３／１／１２ 読売新聞朝刊１２版１５頁
「未来の食卓」という特集に
「食を通じた縁 紡ぐアプリ」の記事がありました。
フードテックについては、ここでは書きませんが、
商標として気になるアプリがありましたので、
ご紹介がてら載せます。
フードロス削減に貢献する、
店と消費者を仲介し、余りそうな品を割引販売することを手伝う、
アプリケーションがあるとのことです。
その名も「TABETE」。
商標は「商品やサービスの目印」となるものですので、
覚えやすいものが良いとされます。
余った食品を「TABETE」（食べて！）とは、
サービス内容を反映した、
なかなか上手い商標だと感心して記事を読みました。
商標権は「登録する商標」と「指定する商品・サービス」との組み合わせで権利となります。
そこで、商標「TABETE」についてみていきます。
登録商標「TABETE」（登録第第6011111号 商標権者：株式会社コークッキング）
指定役務：
第３５類 広告業，インターネットおよび電子メールを利用した広告の代理，インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の広告，トレーディングスタンプの発行，ポイントカードの発行，クーポン券及び割引などの特典付カードの発行，経営の診断又は経営に関する助言及び説明，市場調査又は分析，インターネットおよび電子メールを利用した商品の販売に関する情報の提供，商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供，インターネットおよび電子メール又はカタログを利用した商品の通信販売に関する情報の提供，インターネットにおけるショッピングモールに出展した事業者の経営に関する指導又は助言，インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の売買契約の媒介又は取次，インターネットにおけるショッピングモール事業の運営及び管理，インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の販売に関する情報の提供，競売の運営，インターネットによる競売の運営，コンピュータによるオンラインでの商品の受注・発注事務の代行，コンピューターを用いた事務処理の代行，コンピュータによるリストの管理，広告用具の貸与
第３６類 信用購入あっせん，インターネットのウェブサイトを利用した支払代金の決済，クレジットカード利用者に代わってする支払い代金の決済，コンピュータネットワークを利用した支払代金の決済の代行，商品代金の徴収の代行，損害保険契約の締結の代理，損害保険に係る損害の査定，保険料率の算出，インターネットオークション及び電子商取引に関する損害保険の引受け，クレジットカードを利用した購入商品に関する補償，建物の管理，建物の貸借の代理又は媒介，建物の貸与，建物の売買，建物の売買の代理又は媒介，建物又は土地の鑑定評価，建物又は土地の情報の提供，土地の管理，土地の貸借の代理又は媒介，土地の貸与，土地の売買，土地の売買の代理又は媒介，骨董品の評価，美術品の評価，宝玉の評価，貴金属の評価，古物の評価，古本の評価，企業及び個人の信用に関する調査，慈善のための募金，募金に関する情報の提供，募金の代行
記事によりますと、
食品を廃棄せざるを得ない小売店が、余りそうな商品を割り引き情報をお知らせし、
応じた利用者が決済して、お店に取りにいく。
その一連の仲介サービスが「TABETE」であります。
近年のサービスは複雑に入り組んでおり、
適格な指定役務（サービス）を検討することは難しい状況にあります。
せっかく商標登録して、
自己のサービスを適切に指定していなければ、
その商標権は無いものと同じことです。
青字の太文字で記した指定役務が、
「TABETE」で抑えたい部分と言えるかと思います。
ただし、アプリケーションは商品です。
例えば、関係のない第三者が商品「アプリケーション」で商標「TABETE」を登録してしまうと、
このサービスの提供者はアプリの名称として「TABETE」が使用できなくなるおそれがあります。
予算との兼ね合いもあったりしますが、
指定商品 第９類 「コンピュータソフトウェア用アプリケーション（電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの）」
も登録しておくべきではないでしょうか。
